しゃがんだ時に力が入りにくい踏ん張りにくいバランスが崩れてしまう人の特徴
今回はスクワットや日常生活でしゃがんだ時、階段の登り降りなどで力を入りやすくする方法をご紹介します。
ポイントはつま先と膝の向き
写真のようにスクワットを行う際に膝とつま先の向きが揃っていないと力が地面に伝わりづらく、踏ん張ろうとしても力が入りにくくバランスを崩してしまう原因になります。
このつま先と膝の向きが揃っていない状態を下半身の「アライメント」が悪いとか「ニーイントゥーアウト」と言ったりします。ニーインは膝が内側に入る、トゥーアウトはつま先が外を向くという意味です。アライメントは配列という意味なので骨の配列や骨の並びが悪いという意味です。
矢印の向き
写真では膝の下方向に矢印がありますが、重力は下の矢印方向に向かいます。体重を支えるために矢印の部分に膝から下の脛部分・足首・つま先があると体重を支えてくれますので地面を押しやすく体重をうまく支持しやすいので立ち上がりやすくもなります。
でも写真のように膝から下の矢印部分に脛や足首・つま先がないとつっかえ棒のない状態なので踏ん張りが効かず、バランスを崩してしまうことにつながります。
家でいうと土台部分がしっかりしていないので家の重みを支えることができなく、家がバランスを崩して傾いてしまうのと同じイメージです。
片脚の時も同じ
片脚で行うランジ動作や階段の登り降り動作もつま先と膝の向きが揃っていると力が入りやすく踏ん張りやすいです。
階段の登り降りで膝が痛くなってしまうという人は、階段を登る時に膝とつま先の向きを確認してみてください。もし膝とつま先の向きをそろえて階段を登ったら痛みがなくなった、軽減したというのであればこのつま先と膝の向きが揃っていないことが原因の可能性があります。
つま先と膝の向きが揃っていないということは膝から下が捻じれている状態で関節を動かしてしまっています。この動作を繰り返していくと関節や人体などに負担がかかって痛みにつながります。膝だけでなく足首や股関節など全身にも影響が出てきます。
つま先と膝の向きを揃える方法
改善方法は、しゃがむ時や片足で踏み込む時に、ゆっくりと動作を行って膝とつま先の向きが揃うアライメントで動作を行うようにしてみてください。ゆっくりとした動作で改善ができなければ速い動作を行ってもコントロールすることはできません。
このように取り組んでも今までの癖は簡単には直らないという人も多いと思います。そのような場合は次のように段階的にトレーニングを行って行くことも有効です。
➀足の裏をほぐす
足の裏は地面に唯一接地している部分です。足の裏側をテニスボールなどの硬いボールを踏みながらゴロゴロとマッサージして頂くと足の裏側の筋肉がほぐれて足の指も動きやすくなります。足の裏がうまく機能すると踏ん張りやすくなります。
➁内ももを柔らかく
内ももの筋肉である内転筋が硬くなっていると膝が内側に入りやすくなってしまいます。なので内側に引っ張っている内転筋の緊張を緩めることが大切です。脚の開脚や四股などのストレッチで内ももを伸ばして緊張をとってあげます。フォームローラーでの内もものマッサージもおすすめです。
➂外転筋を鍛える
膝が内側に入らないように外側に開く股関節の外転筋である中殿筋をトレーニングしていきます。ヒップアブダクショントレーニングが有効です。
④股関節を外に捩じる外旋筋肉を鍛える
膝が内側に向かないように股関節を外側に捩じる動作を外旋といいます。この外旋動作はお尻の筋肉が行っています。胡坐をかくように膝を外に開く外旋筋とトレーニングしていきます。クラムシェルトレーニングが有効です。
⑤立位で股関節の外旋
④のクラムシェルトレーニングを立った状態で行います。チューブで抵抗をかけて行うとより強化につながります。
⑥つま先と膝をそろえて歩く
ニーベントウォークトレーニング
肩幅で立ち膝と股関節を軽く曲げて浅いスクワットのしゃがんだ姿勢をとります。足は肩幅で立ちそのままつま先と膝の向きを揃えたまま前に歩いていきます。 歩いても膝とつま先が向きが揃うように意識しながら行います。
⑦日常生活から膝とつま先の向きを注意する
床にしゃがむ、椅子に座る、立ち上がる、階段の上り下り動作など日常から気が付いたらつま先と膝の向きを注意しながらそろえるように意識してみましょう。
まとめ
このように段階を踏みながらトレーニングしていく事は、つま先と膝の向きをそろえるためには効果的です。もちろん、骨が変形しているなど骨のアライメントが変わらない場合もあります。しかし上記のように段階を踏みながらトレーニングを行って行くことは、硬くなった筋肉を緩めて、弱い筋肉を強化し、正しい動作を学習していく事でトレーニング前よりも力が入りやすい、踏ん張りやすくなったなどの変化は実感できるようになると思います。
つま先と膝の向きを揃えて下半身がしっかりと踏んばれるようになるとバランスを崩しにくくなります。参考にしてぜひ取り組んでみてください。