膝の痛みとワットバイクトレーニング
パーソナルトレーナーの栗林です。
今回は膝の痛みとワットバイクの活用方法をご紹介いたします。
当施設のお客様は、他のスポーツクラブやパーソナルジムに比べて整形外科的な疾患を持たれて入る方が多いというのが特徴でもあります。
私自身がパーソナルトレーナーとして整形外科に併設された施設で10年間勤務していたので整形外科疾患等の痛みを抱えた方の運動指導を多く経験させて頂いた経緯があります。そのため、他のスポーツクラブやパーソナルトレーニングジムで対応しにくい痛みを抱えている方の運動指導やトレーニング指導を受け入れやすいということもあります。
ワットバイク
当施設をご利用頂いて入る方にはお馴染みのワットバイク(エアロバイク)。大人のご利用者には必ずウォーミングアップや体力向上目的でご利用頂いております。(145㎝以上の身長の方でしたら子供でも使用できます)
ちなみに「膝の痛い人にワットバイク(エアロバイク)をこいでもらっても大丈夫なの?」と思われるかもしれませんが、荷重がかからない状態で膝の曲げ伸ばし動作を行っても痛みが無ければ大丈夫です。
心配な方は整形外科で医師に相談してみてください。
この画像はワットバイクを利用される時に出てくるグラフと数字です。
当施設で使用しているのはワットバイクのニュークリアスというタイプなので大きなタブレットモニターが設置されています。そこに表示されます。
ワットバイクの特徴
パーソナルトレーナーとして私が思うワットバイクの一番の特徴は、ペダルを漕ぐ際の左右の足の力の入れ具合がペダルについているセンサーにより「見る」ことができる点です。数字とグラフで確認することができます。
ご利用しているお客様には、このグラフと数字を気にしながらペダルを漕いで頂きます。グラフの大きさが左右均等になるように、%で出る数字が右50%、左50%に近づくようにと力の入れ具合を意識しながら漕いで頂きます。
左右差が数字でわかる
こちらの画像は左膝が痛いお客様に5分間漕いで頂いた時の平均の記録です。ちょうど1週間前の記録になります。グラフは左側の円が右に比べると小さいです。%は力の入れ具合になりますので、左が46%で右が54%になります。(5分間の平均的な力の入れ具合が何%ということ)%の上の数字は左が34で右が63です。これはペダルを漕ぐ際の太もも前側と太もも裏側の筋肉をバランス良く使えていると数字が大きくなってきます。(ここまで把握できるワットバイクです)なので左脚は右脚に比べて力が入りにくく、太もも前側と裏側も筋肉の力の発揮具合もバランスが良くないということになります。
この時は左膝は腫れている状態で、軽くは曲げられるけど、正座のように深くは曲げることができない状態でした。(事前に整形外科も受診しており、変形性膝関節症と診断されていました)
ケアとストレッチ、筋力トレーニング、ワットバイク、ケア、アイシングを行い自宅でもホームエクササイズは継続して実施して頂きました。
膝が良くなるとワットバイクの記録が
こちらの画像が1週間後で今週に来館された際のワットバイクの記録です。
先週のトレーニング後からは痛みも徐々に和らいできたそうで脚にも力が入るようになったそうです。
左膝の腫れもひいて、膝を深く曲げると出ていた痛みも、だいぶ緩和されたようです。
ワットバイクの記録を見ると5分間の平均だとまず、グラフが左右共にきれいな円になってきました。%は左50%、右50%と均等になってきました。(先週は左46%、右54%)
この数字とグラフだけ見るとだいぶ左足に力が入りやすくなってきているのがわかります。
太もも前と裏側の使い方
あとは太もも前側と裏側の筋力バランスです。左は50で右は67なので右はうまく太もも前と裏を使ってペダルを漕いでいるのがわかります。この数字はうまくこげている人は70以上になります。左は50なのでまだ太もも前側と裏側の筋力をバランスよく使ってペダルを漕ぐことができていません。
多くの人が、膝が痛いと歩く時に脚をそっと着くようになります。これを繰り返していくと筋肉にあるセンサー(固有受容器)がうまく働かなくなってしまいます。筋肉も力を発揮できない状態になってしまうのです。
1週間で痛みが和らいで膝の曲げ伸ばしもスムーズに行いようにできてきましたので、次は筋肉を使ってあげる、片足に体重をかける、バランスをとるトレーニングで筋肉のセンサーを鍛えていく必要があります。これを繰り返していくことでワットバイクの記録もさらに変化してくると思います。
膝が痛くても運動はできる
当施設ではこのような形で、膝が痛い方にはワットバイクを活用しています。
膝の痛い方のエアロバイクや自転車の活用法の参考になれば幸いです。
膝が痛くても運動したい、筋力をつけたい、もっと歩きたいなど悩んでいる方は、お気軽にご相談ください。メールでもラインでも大丈夫です。ご体験もできます!