片足で立てない子供が多くなっている?小学校の先生とのお話から
先日、小学校の養護教諭の先生とお話をする機会がありました。
小学校では「正しい姿勢」について講演会をすることがありますので、養護教諭の先生方のお話を聞く機会が度々あります。
お話を聞いた先生の小学校では「片足で立つことができない子供」が多くなっているということです。
近年の小学校では、運動器検診という体の運動器の状態を把握するための検診が毎年行われます。この運動器検診のチェック項目で「片足立ち」があります。
この「片足立ちができない」という項目にチェックに入る子供が多くなってきたそうです。
今回はこの子供の「片足立ち」について、できない原因と改善点を運動指導者としてパーソナルトレーナーの立場からご紹介いたします。
結論からいうと適切な運動により片足立ちができるようになることが多いです。
片足立ちについて
ちなみに片足立ちは、3歳位になるとできるようになります。
片足立ちはできなくてもいいと思うかもしれませんが、日常生活の様々な場面で必要になります。
歩く時は、必ず足を交互に前へ出します。片足に体重を乗せてバランスをとって次の足に乗せ換えて前に進みます。
走る時は、更に空中に体が浮いた状態から片足で着地します。片足で体を支える能力が低いと、走るという動作も効率的にできなくなってしまいます。
このように日常生活では片足立ちになることが、とても多いのです。
片足立ちができない原因
片足立ちができない原因は何でしょうか?
いろいろな問題があるのですが、今回は運動指導者の立場から運動で改善ができると思われる原因の要素をピックアップいたします。
1.足の指が使えていない
私が対応させて頂く中で多いのは、足の指がうまく機能していないことです。
足の指が開いたり閉じたりのグーパーの動作ができない子は、立った時に足の指の筋肉がうまく使えないので踏ん張りにくくなってしまいます。
2.姿勢の問題
立っている時の姿勢の問題もあります。
立っている時に正しい姿勢で立てているということは、両足で地面に対して垂直方向に押す力が働いているということです。
立っている姿勢が横から見て、猫背だったりすると足の裏全体ではなく踵側に体重がかかりやすくなったりします。
逆に腰の反りが強すぎると前方に体重がかかり、足の指が常に曲がった状態になったりもします。
私が指導させて頂いた中でもこの様な二通りのパターンがありました。
立っている姿勢を正面から見た時に、いつもどちらかに重心を傾けて立っている、どちらかの膝が曲がって立っているなどの場合は、左右でバランスよく地面に伝えることができません。
3.発育発達過程の運動不足と体幹部の機能が発達不足
赤ちゃんが歩き出すまでの発育発達過程で、運動機能が不十分だったりする場合も立位姿勢や運動能力に影響が出てきます。
赤ちゃんが歩き出すまでの発育発達過程の運動動作は、大人になってからの体の機能低下やスポーツ選手のスポーツパフォーマンス向上という場面でもとても注目されていることです。
例えば、ハイハイをする期間が極端に短くてすぐにつかまり立ちなどから歩くようになったりすると、ハイハイをある程度の期間を行っている子と比べると上半身の支える能力や体幹部の機能に差が出るようになります。
他にももちろん原因はあると思いますが、運動で改善が可能なことという前提で原因をピックアップいたしました。
片足立ちをできるようにする方法
片足立ちができるようにする、効果的な運動の方法をご紹介します。
1.足の指の運動
一番はグーパー運動。足の指を閉じてグー、開いてパーです。
慣れてきたら慣れてきたらグー、チョキ、パーをしたり左右で違う動作をしてみてください。
それぞれを20~50回ほど毎日反復すると動作が楽になってきます。
2.正しい姿勢を心掛ける
正しい姿勢で両足でしっかりと左右のバランスを均等にしながら立つようにしてください。
歩く時も正しい姿勢で歩けるようになると、とても良いです。
3.発育発達動作を再度行う
歩き出すまでの発育発達の運動を再び行います。
①仰向けで手足をバタバタします。
②寝返りを打つように横に転がります。
③うつ伏せで手足をバタバタします。
④腹ばいで進んだり、ハイハイで前や後ろに進みます。
⑤四つ這いから立つ練習をします。
これらの動作をそれぞれ毎日10回ずつくらい繰り返してみてください。
4.片足立ちを練習する
片足立ちを何度も練習してください。
ケンケンでもいいです。走るでも歩くでもいいです。
運動する機会をできるだけ作ってあげた方がいいと思います。
お子さんの場合は遊びの中でできるだけ運動をする機会が増えるといいと思います。
まとめ
片足立ちができない子に対して、改善するために運動をすることはとても有効です。
①足の指を使えるようにする
②正しい姿勢を保てるようにする
③発育発達過程の動作の再教育と体幹機能の向上
これらの内容は運動で改善が可能です。
片足立ちができないお子さんの保護者の方の参考になれば幸いです。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
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